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まちづくりキーパーソン vol.08 買い物支援で地域を元気にする能美商工女性のリーダー

買い物支援で地域を元気にする能美商工女性のリーダー

能美市商工女性まちづくり研究会会長能美市商工会女性部部長 北野ゆかり Kitano Yukari 能美市寺井町在住
■1商店が連なっていた歴史ある街道

 結婚を機に寺井町に移り住んだのが30年前。その頃、我が家が経営する「まるきた」は呉服の専門店でした。しかし、私が子育てを終えて店を手伝うようになった20年程前から、品揃えが大きく変わっていきました。呉服は扱っていますが、アウターからインナーまでの衣料、寝具、鞄や雑貨など、今では多種多様な商品が並んでいます。
 「まるきた」がある寺井中央通りは旧の北国街道で、俳聖の松尾芭蕉も歩いたといわれています。昭和になってからも交通の要所として栄え、商店が軒を連ねていました。しかし、昭和20年後半に新しい国道(8号線)が開通したことにより、国道から県道に変更となったようです。
 すぐそばの寺井図書館の場所は、能美電(北陸鉄道能美線)の本寺井駅があったところで、人々が往来し賑わっていました。「九谷茶碗まつり」も昭和初期から50年代くらいまでは寺井中央通りを会場に開催されていました。

まるきた店内。地域住民の交流の場やギャラリーとしても活用されている。

まるきた店内。地域住民の交流の場やギャラリーとしても活用されている。

■2地域住民の生の声に心が動く

 時代の変遷とともに、お客様を取り巻く環境も変わってきました。来店される方々から、「近所の八百屋がなくなった」、「近くに店がないから買い物できん」、「年齢とともに自転車に乗れんようになった」、「能美市内で買い物に困っている地域がたくさんある」という声が聞こえるようになりました。商工会女性部の執行部会メンバーの間で、「私たちにできることはないか」という意識が少しずつ芽生え始めました。
 そんな折、メンバーと商工会女性部の全国大会に出席。買い物支援のために「トラック市」と銘打って移動販売をしている熊本県の活動事例を聞いて、「これならできるかも知れない」とひらめきました。そして、有志で「能美市商工女性まちづくり研究会」を設立。能美市社会福祉協議会と連携し、1年をかけて買い物に困っている地域住民の実情を調査研究しながら、支援事業の企画や運営の仕組みを練ることにしました。


■3各地区に飛び込み、ニーズを探る

 調査研究では、市内のさまざまな地区に入らせてもらいました。研究会メンバー2~3名でグループを組み、畑や玄関口などにお邪魔して、買い物で困っていることやほしい商品についてお聞きしました。
 当初は話を聞いてもらえるか、質問に答えてもらえるか心配でしたが、聞き出したら、まあ、皆さん気さくにしゃべってくれること! 買い物支援に対するニーズを知るだけではなく、お互いにいい話し相手となり、私たちも楽しくなってきました。そのうち、「うちの息子の嫁さんを探して」という話まで出るようになりました。
 この調査で気づいたのは、お年寄りは買い物に不便さを感じているだけではなく、話し相手も求めているのではないかということでした。そこで研究会のメンバーは、「傾聴」の研修を受けて、知識と手法を身につけました。


■4暮らしと安心を支える仕組み

 1年の準備期間を経て、移動販売を開始しました。現在は第1火曜日と第3金曜日の月2回、市内を回らせてもらっています。
 朝8時半に食品や惣菜を積み込んで9時に社協へ。10時に鍋谷地区から販売スタートです。「○○町の皆さん、おはようございます。こちらは能美市商工女性まちづくり研究会の移動販売車です!」という販売車からのアナウンスを聞いて、ご近所のお年寄り、子育てや介護のお世話をしている人たちが次々と集まってきます。皆さん、自分の目で商品を確かめてお買い物をしたいんです。
 お年寄りには油揚げ、果物、お餅、惣菜が人気です。惣菜は要望により小パック包装です。お買い物が終わったお客様にはお茶とキャンディをサービス。自然と話も弾みます。「お化粧してきたわ」、「お出かけ用のエプロンに着替えてきたんや」、「会えて楽しい」など、私たちを待っていたという声をいただくと本当に嬉しいですね。
 また、雨や雪の日のほうが「来てほしい」という要請が多いんです。買い物支援だけでなく、お散歩にいい距離なのでお出かけ支援になったり、人と接する機会になったり。そして、引きこもり防止にもなっています。私たちの活動が地域の見守りや交流拡大に貢献できていることに充実感を感じています。


■5自分たちが楽しいから続いている

 活動も5年目に入りました。1回の移動販売では販売車、アナウンス、伴奏車(予備の商品)など6~7名が必要ですが、仕事や家事などが忙しくメンバーが減るときは、チームワークで乗り越えています。メンバーを動かしているのが「人の役に立つことをしたい」という情熱。そして、とても大変だけれども、メンバーが協力し合ったり、お年寄りと交流できたりと、自分たちが楽しいから続いているのだと思います。
 地域の皆さんの声は、商業者や女性ならではの知識と経験、そしてセンスや勘を生かして、活動内容にすぐ反映することができます。これは私たちにしかできないことかも知れませんね。
  年々、「うちの地区にも移動販売に来てほしい」という要望が寄せられています。そこで昨年度から抱えている課題が「月2回の活動を月3回にできないか」。要望に応えたいという気持ちもありますが、メンバーと話し合いを重ねたところ、現状では難しいという結論に達しました。無理がかかると楽しく長く活動できないからです。
 そこで考えたのが、4年間で培った運営ノウハウを販売車とセットで貸し出す方法です。運営サポートにメンバー1~2名を付けることもできます。平成28年4月以降に町内会や市民団体などに提案する予定ですが、私たちにとっても新しい試みで、どれだけ希望者が現れるかは未知数です。市内に移動販売をする市民グループが幾つも立ち上がってくれるのが理想です。地域住民同士で住みよさを支え合う新しいボランティアとして利用され、発展していってほしいと願っています。

能美市商工女性まちづくり研究会のミーティング風景。30歳代から70歳代までの約70名の会員が所属している。

能美市商工女性まちづくり研究会のミーティング風景。30歳代から70歳代までの約80名の会員が所属している。


わくわくするような楽しいイラストが描かれた販売車。

わくわくするような楽しいイラストが描かれた販売車。


北野さんたちが運営する移動販売は地域住民に大人気。鮮やかなピンクのブルゾンが目印だ。

北野さんたちが運営する移動販売は地域住民に大人気。
鮮やかなピンクのブルゾンが目印だ。


住民ニーズと商工女性ならでは目線で揃えた商品。選ぶ楽しさも演出。

住民ニーズと商工女性ならでは目線で揃えた商品。選ぶ楽しさも演出。販売だけではなく、里山地区の住民がつくった白菜、ゆず味噌、しいたけ、梅、ねぎ、大根、お花、胡桃などを買い取り、まちなかの住民に販売するサイクルもできている。


各地区の住民の皆さんとの交流で、お互いを気づかい合う。

各地区の住民の皆さんとの交流。お互いを気づかい合う。


農家の方に「ちょっと畑に来まっし」と誘われて。生まれて初めて大根引きを体験!

農家の方に「ちょっと畑に来まっし」と誘われて。生まれて初めて大根抜きを体験!