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まちづくりキーパーソン vol.07 週に1回、近隣の大型ショッピングセンターまで送迎する買い物支援。

少子高齢化の住宅街を住民力で支える スーパーアクティブシニア!

認定特定非営利活動法人えんがわ代表理事 中田 八郎 Nakada Hachirou 能美市泉台町在住
■1猛烈サラリーマン時代

 私が住む泉台町(いずみだいまち)は、能美市寺井地区の中山間地を開拓し、宅地造成された住宅街です。現在、607世帯が暮らしていますが、分譲が始まって33年が経っても入居者が増え続けています。
 私は昭和64年(1989年)に、妻・子ども2人・母の5人で入居。42歳の時でした。
 小松精練株式会社(能美市)に勤めていた頃は、新築の家がありながら、都合25年間も単身赴任。大阪、東京、名古屋および海外を含めて単身赴任し、世界のマーケットを相手に、繊維の製造・販売メーカーとして営業に明け暮れていました。自宅には月1回帰るだけで、隣にどんな人が住んでいるかも知らなかったんです。

草刈り

住宅が建ち並ぶ泉台町の風景

■2突然訪れた人生の転機

 がむしゃらに働き続けました。しかし、63歳の時に倒れて会社を退職。近所の病院で精密検査を受けたところ、その病院始まって以来の中性脂肪(HDL)の高い数値が出ました!営業や接待で、もうとにかくお酒の量がすごかったですから。
 2か月入院した後、「これじゃいかん!」と徹底に肉体改造をすることを決心しました。ちょうど泉台町に公共施設「クアハウス九谷」があったので、専門トレーナースタッフについてリハビリを開始。毎日3時間×週4日間×3年間、健康教室に通い詰めました。


■3波乱の地域デビュー

 身体が回復した頃、泉台町の前町内会長の田中さんがやって来て、「あんた、暇そうやし、次の町会長にならんか」と誘われました。町内会活動なんてまったく興味がなかったため、「とんでもない」と断り続けていました。ところが最後は田中さんの奥さんに説得されてしまった!しぶしぶ引き受けたのが65歳の時でした。
 当時の泉台町は95%がサラリーマン家庭。昼間は現役世代がいないので、町内会活動は高齢者が担っていました。就任するなり、30年前に作られた規約を改定。基盤整備を開始しました。ところがこれがブーイングの嵐に。そこで全400世帯にアンケートを実施。回収率は70%で、89%の住民が「町内会は必要」と回答しました。「じゃ、町内会改革をやろう!」ということで、20歳代から60歳代の地域住民で構成する活性化委員会を4~5つ作り、「現状の問題」「これから20年後」「どんな組織が必要か」などのテーマを1年かけて議論し組織整備を行いました。泉台町会組織ができて23年目にあたる年でした。

■4地域住民の暮らしを支える仕組み

 平成27年7月現在、泉台町は1,712名。そのうち65歳以上が292名です。30年以上になると現役だった世代も会社勤めを終え、かつての新しい住宅街も少子高齢化が加速しています。地域住民同士の横のつながりや、特に高齢者支援を中心に、豊かで安心安全な地域づくりが求められるようになってきました。そこで平成24年8月、生活支援サービス希望者を援助し、住民の安心・安全を守り、豊かな生活空間を創造することを目的にNPO法人「えんがわ」を設立しました。活動項目はまちづくりの推進・保健、医療や福祉の増進、環境保全、災害救援、地域の安全、子どもの健全育成、経済活動の活性化、消費者の保護など暮らし全般にわたります。さらにそれらを住民ニーズに合わせて事業化し、メンバーで役割分担しています。
 例えば、週に1回、高齢者の方などを近隣の大型ショッピングセンターまで送る「買い物送迎」。一人暮らし高齢者や高齢者世帯の草刈り・除草・除雪の他、障子張りや簡単な大工仕事(修理)なども引き受けています。
 また、コミュニティビジネスにも挑戦。20年ほど前から、周辺地域に大型ショッピングセンターが次々とでき、4~5年で町内のスーパーマーケットがなくなりました。一番困ったのは地域のお年寄りたち。そこで空き店舗を借りて、毎週土・日曜の午前中に「ふれあい市えんがわ」を運営しています。地域住民が持ち込む農産物や手づくり品などを委託販売しており、売値の10%がマージンです。地域内のさまざまな人とともに、お金を循環させる仕組みをつくっています。


■5居酒屋企画など豊富なアイディア

 平成27年、閉じこもりがちな男性高齢者を外に引っ張り出す策として、「居酒屋えんがわ」を企画。気軽な交流の場を探していたところ、地域の居酒屋が「営業時間以外ならお店を貸してあげるよ」と協力してくれることになりました。
 「居酒屋えんがわ」は毎月第2・4木曜日の16時30分~18時30分に開店。毎回大盛況です。泉台町以外の能美市や市外の方の参加も増えてきました。10月には新しい取り組みとして、お店の横に地域住民のための「困りごと相談室」を開設します。現在、その準備を進めています。
 地域社会や地域住民それぞれの状況を周囲が理解し、お互いに尊重しながら、できる力を持ち寄って、助け合いながら生きていく。「えんがわ」は文字通り、近所の人が気軽に腰を下ろして、一緒にお茶を飲みながらおしゃべりできる空間のこと。私たちも、地域の人たちが気軽に立ち寄れたり、相談できたり、暮らしを楽しんだりできるような居心地良い「えんがわ」に成長できるよう歩んでいきたいと思っています。

草刈り

高齢者世帯だけではなく、地域内にある公共スペースの草刈りや除草も行う。


2014年11月8日記事3枚目 ふれあい市えんがわ

「ふれあい市えんがわ」は介護用品・農産物・お菓子・防災用品などを販売。


2014年11月8日の記事5枚目・7枚目 えんがわ2周年祭のふれあい市えんがわ

2014年に開催された「えんがわ2周年祭」。高齢者から子どもまで集まる「ふれあい市えんがわ」は地域コミュニティの場となっている。


2015年6月26日の記事3枚目 居酒屋談義

「居酒屋えんがわ」は男性高齢者の外出の機会と仲間づくりに役立っている。