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まちづくりキーパーソン vol.06

「三人寄れば文殊の知恵」で、まちづくりはもっと面白くなる!

キャリアコンサルタントコミュニケーションデザイナーキャリアデザインオフィス・マイダ代表 毎田雄一さん Maida Yuichi 能美市下ノ江町在住
■1地域社会とともにある企業

 まちづくりに関わり始めたのは、今から20年程前。行政主導ではない「市民主体のまちづくり」という考えが芽生えた頃です。1992年当時は、私はコマニー株式会社(小松市)のコミュニケーションデザイン研究室(CD研)に勤務し、地域社会と企業の関わりを研究していました。コマニーは間仕切り(パーテーション)を造る会社です。CD研ではエンドユーザーの声を拾い、障害者の方が使いやすいオフィス環境などを提案しました。しかし一番の使命は、企業市民として地域内の多様なフィールドに入り込み、「21世紀の地域社会の中で企業はどうなっているか」という企業の未来図を描くことでした。「市民主体のまちづくり」が全国的に盛んになるに従い、様々な人々が集まって一緒に一つのものを創り上げていくワークショップという手法や、会合等が趣旨に沿って進行するように導くファシリテーターという役割が注目されました。CD研のメンバーもそのスキルを習得し、社内外で週3回ほどのペースで、ワークショップの運営とファシリテーター役を担っていました。

「ワークショップin小松」の分科会風景(1996年)。

「ワークショップin小松」の分科会風景(1996年)。

■2「ワークショップin小松」の開催

 「ワークショップin小松」は3日間にわたるまちづくりの全国的な研修交流会です。コマニーの地域貢献事業として呼びかけ、1996年から3年連続で開催しました。各地でまちづくりに携わる20人程で世話人会を結成し、小松市の八日市商店街の空き店舗を拠点に準備をしました。開催当日は、地域再生と地域活性化が急務であった「西尾地区」「安宅地区」「商店街活性化」というテーマに「市民が主役の公共施設とは」「企業が地域に開かれるには」を加えた5分科会を開催。石川県内や福井はもちろん、東京や名古屋など全国から、まちづくりのキーパーソン約400名が集まりました。
 その後、継続してまちづくりが続いている地区があります。小松市の西尾地区は当初、「まちづくりといっても人が少ない」と地元の人は話していましたが、里山の穏やかな景観や野菜を洗ったり冷やしたりするのに住民が利用している水路の美しさ、豊富な山菜、蛍など、傍から見ると地区の魅力がたくさんあるように思われたのです。そこで西尾の人たちが作った野菜を売る「青空市」を提案。野菜を持ってきてもらい、少しずつ商品を増やしていきました。今では「西尾の特産市・朝市」として住民自身によって春・夏・秋に開催され人気です。地域で「ひと・もの・かね・情報」が活発に行き来しています。


■3移動販売で地域住民の買い物を支援

 2011年暮れに「能美市商工女性まちづくり研究会」が発足しました。普段の買い物に困っている能美市民を支援する方法はないだろうかと話題になったことがきっかけです。それ以来、この活動のコーディネーターを務めさせていただいています。 1年目はメンバーと月1回のワークショップ。
 大事にしたのは「少しの準備期間で無理なくすぐにできることは何か」です。また、買い物に困っている人たちのニーズを探るためのヒアリング調査、全国の事例研究、試験販売。メンバーから出たアイデアは否定せずに実践してみて、自分たちの進む方向やどんな貢献ができるかなどを明確にしていきました。
 現在は月2回(第1火曜日、第3金曜日)、能美市内9か所を移動販売しています。利用者は高齢者、障害者、就学前の子どもをもつ若い夫婦など。男性も多いですね。みなさん嬉しそう、楽しそうです。ちょっとした遠足気分のようです。久しぶりに顔を見て、「あんた元気やったかいね~」という会話があちらこちらで聞こえます。地域住民の出会いの場としても喜ばれています。

新鮮野菜や漬物などを通して地域内外の人が交流する「西尾の特産市・朝市」立ち上げの頃(1998年)。
新鮮野菜や漬物などを通して地域内外の人が交流する「西尾の特産市・朝市」立ち上げの頃(1998年)。

新鮮野菜や漬物などを通して地域内外の人が交流する「西尾の特産市・朝市」立ち上げの頃(1998年)。


ピンクは能美市商工女性まちづくり研究会のイメージカラー。

ピンクは能美市商工女性まちづくり研究会のイメージカラー。

■4活動を続けている中で

 活動を始めたばかりの頃は「いつまでやれるか分からないけど」と言っていたメンバーでしたが、活動を通してすぐに感性が動き出し、「もっと人と出会いたい」「喜びをみんなで分かち合いたい」という気持ちが強くなりました。普段それぞれの仕事に従事しているメンバーにとって、この無償ボランティア活動は「普段の商売と違い、『金、金、金』ということを忘れられる『月2回の癒しの時間』」だそうです。移動販売を行っていることが知られるにつれ、「うちのまちにも来てよ!地域に賑わいをつくって!」という要望が寄せられています。地域住民との出会いや喜びの共有が嬉しく、それが活動の原動力につながっています。


■5三人寄れば文殊の知恵型

 私のモットー(信条)は、「三人寄れば文殊の知恵、みんなで知恵を出せば、まちづくりはもっと面白くなる!」です。人それぞれ価値観はばらばらですが、お互いに補完し、知恵を合わせれば、関係や物事はもっと良くなります。特に「市民一人ひとりが主役となるまちづくり」においては、参加者同士が相互理解し、合意形成をはかりながら創り上げていくワークショップが有効な手法だと考えています。
 現在の私は、企業や団体の人材育成を支援するキャリアコンサルタントや、研修会やワークショップの講師、ファシリテーターとして全国を飛び回っています。地域社会や企業で学んだ傾聴力や企画力などのスキルや経験が、仕事やまちづくりでも、私の基盤になっています。

商品は活動趣旨に賛同してくれる5つの仕入れ先から集めている。

商品は活動趣旨に賛同してくれる5つの仕入れ先から集めている。


移動販売日を待っている住民が多い。地域の交流の場となっている。

移動販売日を待っている住民が多い。
地域の交流の場となっている。


○近著「猫にまたたび人にはキャリア」(本の泉社)