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まちづくりキーパーソン vol.05

子どもたちに本の魅力を伝えて40年

金沢子どもの本研究会 能美支部 事務局 義本真佐美さん Gimoto Masami 能美市松が岡在住
■1 苦手を克服するために選んだ職業

 学校や図書館で「読み聞かせ」や「ブックトーク」をやらせてもらっていますが、もともとは人前でしゃべるのがとても苦手です。
 大学生の頃、そんな苦手なことを克服しようと選んだのが図書館司書です。利用者とマンツーマンで向き合い、利用者と本を結びつける仕事です。当時の司書は、今以上にオールマイティさが求められ、お母さん方の子育て相談にものっていました。どれだけ良い本に出会えるかが、その子の成長に影響します。だから司書は心理学、特に幼年心理学を学びます。
 25歳になった頃、「辰口に図書館ができる。司書が必要だから帰って来なさい」と言われ、大阪から故郷の辰口に戻りました。

幻想的な雰囲気のお話し会。義本さんの語りに大人も子どもも引きこまれていく。

幻想的な雰囲気のお話し会。義本さんの語りに大人も子どもも引きこまれていく。

■2 「金沢子どもの本研究会」との出会い

 戻ってきたのが45年前。ちょうどその頃、文部省(現・文部科学省)から「幼児教育に絵本を活用しなさい」という通達がありました。そこで、児童文学や絵本を専門的に学ぶために門を叩いたのが「金沢子どもの本研究会」でした。
 研究会は昭和48年(1973年)に設立。児童文学者で教育者の勝尾金弥(かつおきんや)先生が主宰され、勝尾外美子先生、「のまりん」こと野間茂之さんが中心になって、40年間活動を続けてきました。メンバーは教員経験をもつ方が多く、文芸誌の同人になっている方も沢山います。
 設立当初は、特別講座(年5回)に全国から講師を招きました。勝尾金弥先生のネットワークです。お見えになったのは、松谷みよ子さん、馬場のぼるさん、岩崎京子さんなど著名な方ばかり。金沢での講演を終えて、夜は辰口図書館へ。地域の読書教育の充実のために、献身的にご尽力いただきました。その感謝の気持ちは今も忘れません。


■3 地域ぐるみの「風呂敷文庫」「園文庫」

 20~30年前になりますが、かつて辰口地区には「風呂敷文庫」がありました。区域毎に担当者が、学校図書館から大人用の本と子ども用の本を選び、風呂敷に包んでご近所に回すというものです。2週間経ったら、「本を交換しましょう」とまた次の本が回ってきました。
 幼稚園の「園文庫」は今も続いています。毎週1人1冊ずつ家に持って帰ります。字の読めない頃から、本を手に取る習慣、親子で本を読む習慣を身に付け、「本が面白い」ことを記憶させます。当初は読み終わったら「誰と読んだら面白かったか」をカードに書いてもらいました。「隣のじいちゃん、ばあちゃんが読んでくれた」という子もいます。祖父母や周囲の協力も大切です。
 「能美市の保育園や児童館には本が多いですね」と言われることがあります。金沢子どもの本研究会や関係団体と連携し、読書教育に地道に取り組んできた成果かも知れませんね。

例会は毎月第4日曜日に金沢市中央公民館長町館で開催。作家や作品についてメンバーが発表し合う。

例会は毎月第4日曜日に金沢市中央公民館長町館で開催。作家や作品についてメンバーが発表し合う。


現在は65名が所属。そのうち3名が辰口支部で活動している。

現在は65名が所属。そのうち3名が辰口支部で活動している。

■4 本をとおして地域の子どもを育てていく

 現在は、「金沢子どもの本研究会」事務局のサポート業務で忙しい日々を送っています。例会(第4日曜日)、書評会(第2火曜日)、根上地区の研究会(年5回)、寺井図書館で行う野間成之先生の紙芝居(月1回)、石川県立図書館のブックトーク勉強会(隔月)など。定期イベントのお世話に加えて、研究会に依頼がくる講師派遣の連絡窓口、会報「子どもの本のひろば」(月刊)や研究会ブログの原稿作成を担当しています。
 私自身、学校読書ボランティアや保育園などの講習会に講師として呼ばれることが増えてきました。本を使って遊びながら本を紹介していく「アニマシオン(読書指導法)」「素話し(ストリーテリング)」、本の修理など。勉強したい人のためならどこへでも行きます。
 子どもの読書に関する講演では、「お子さんが天才になるか凡才になるかは、あなた方にかかっている!」という一言から始めます。幼い時に、真っ白で綺麗な時にどれだけ多くの色を入れられるかは、親、祖父母、地域の大人の責任だと思っています。
 これまで出会った本は1万冊以上です。中でも子どもの本には生きていく上で学んでほしいことが沢山詰まっています。大人が良い本を知らないと子どもは良い本に出会う機会を失ってしまいます。子や孫、地域の子どもの育ちを豊かにするため、大人がまず読んで、子どもにつなぐ。子どもたちの未来のために、これからも地域のみなさんと一緒に勉強していきたいと願っています。

会報「子どもの本のひろば」には「良い本なので是非手に取って欲しい10冊」を掲載。石川県内の図書館に設置し、北陸中日新聞で連載している。

会報「子どもの本のひろば」には「良い本なので是非手に取って欲しい10冊」を掲載。石川県内の図書館に設置し、北陸中日新聞で連載している。


地域の書店で月1回開かれる絵本のお話し会。

地域の書店で月1回開かれる絵本のお話し会。